「今月もたくさん成約できた」——なのに、いざ数字を締めてみると思ったほど利益が残っていない。賃貸仲介の現場で、こんな経験はないでしょうか。その差を生んでいる正体の多くが、後ADと一部入金の管理です。
「契約=売上」ではない、という前提
賃貸仲介の売上は、契約した瞬間に確定するわけではありません。仲介手数料やAD(広告料)が、実際に入金されてはじめて「本当の売上」になります。ところが多くの店舗では、契約ベースの数字を売上として扱い、入金状況とのズレに気づかないまま月をまたいでしまいます。
このズレが積み重なると、「数字上は好調なのに資金が回らない」「未回収が放置されている」といった状態に陥ります。
後ADと一部入金。2つの落とし穴
① 後AD(後から入るAD)
後ADは、契約後しばらくしてから入金される広告料です。入金までのタイムラグが長いほど、管理表から抜け落ちやすくなります。
- 「いつ・いくら入る予定か」を案件ごとに記録していない
- 入金予定日を過ぎても、誰も気づかない
- 担当者の記憶頼みで、退職や異動とともに情報が消える
② 一部入金・分割入金
仲介手数料・その他費用・ADのうち、一部だけが入金されているケースも見落としの温床です。「入金あり」と一括りにしてしまうと、残額がいくら残っているのかが見えなくなります。
「入金済みフォルダ」に入れた時点で安心してしまい、実は一部しか入っていなかった——。残額の督促タイミングを逃し、回収しそびれるパターンです。
「本当の売上」を見える化する3ステップ
- 確定売上と見込み売上を分ける。入金済みの金額だけを「確定売上」として集計し、未入金は「見込み」として別管理にします。
- 後ADに入金予定日を紐づける。案件ごとに予定日と実績を持たせ、予定日を過ぎた未入金を自動で抽出できる状態にします。
- 未入金だけのリストを常に持つ。仲手・費用・ADのどれが未入金かを色で判別し、督促リストがいつでも出せるようにします。
数字が「合わない」のではない。後ADと一部入金が、見えていないだけ。
まとめ
反響を増やす努力と同じくらい、取った売上を取りこぼさない仕組みは利益を左右します。後ADと一部入金を案件単位で追える状態をつくるだけで、「本当の売上」がくっきり見えてきます。まずは自店舗の未入金が今いくらあるか、一覧で出せるかを確認してみてください。